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ビジネスと人生でも向き合う「敵」と「死」についての対処法:プルタルコス「モラリア2」京都大学学術出版会
「モラリア」2巻目は、「いかに敵から利益を得るか」「多くの友をもつことについて」「運について」「徳と悪徳」「アポロニオスへの慰めの手紙」「健康のしるべ」「結婚訓」「七賢人の饗宴」「迷信について」の9編を収録。 「いかに敵から利益を得るか」... -
最新研究のコンパクトな概説も織り込んだ優れた通史叙述を堪能しよう:「ビザンツ帝国-千年の興亡と皇帝たち」中谷功治、中公新書
「中公新書のシンプルタイトルにハズレ無し」と私は勝手に思っていますが、6月の新刊「ビザンツ帝国(中谷功治、中公新書)」も期待を上回る良著でした。特長としては1000年以上に亘る帝国史をひとまとめにしつつも、近年の研究成果のコンパクトな概説も加... -
古代の元祖エッセイストの人生訓に学ぶ:「モラリア 1」プルタルコス、京都大学学術出版会
約1900年前の元祖エッセイスト、プルタルコス(46年から48年頃 - 127年頃) は、モンテーニュの「エセー」にも大きな影響を与えた人でもあり、プラトンや、クセノフォンと同様、多数の作品が時を越えて現存しています。その事実一つだけでも、著作の価値は... -
大人向けの味わい深い英語読本!:「ラッセルと20世紀の名文に学ぶ英文味読の真相39」佐藤 ヒロシ、プレイス
「ラッセルと20世紀の名文に学ぶ英文味読の真相39」は、ノーベル文学賞受賞(1950年度)哲学者のバートランド・ラッセルを中心に、サマセット・モームなど20世紀のよりすぐりの文章39ピースを題材としています。英文としての構造のみならず、知的示唆と含蓄... -
日本にとってのアメリカとは何なんだろう?:「街場のアメリカ論」内田樹、文春文庫
「日本にとってのアメリカ」を再考する際に、著者の自由闊達な思弁は一つの切り口として役に立つででしょう。日本人にかけられた「従者」の呪いを「病識」として持ちながらも、主人たるアメリカへの「従者」ゆえの気楽な批判による語り口は、アメリカに... -
日本人なら常識として知っておきたい江戸町人の文化:「一日江戸人」 杉浦日向子、新潮文庫
今日は江戸時代の町人についての本。書いているのは、江戸時代に造詣が深い杉浦日向子さんです。「コメディーお江戸でござる」を思い出しますね。江戸の文化について、イラストと注記で肩肘はらずに気軽に知ることができる1冊です。たとえば、洒落本の説... -
あなたの読書効率をぐいっと上げる3つの方法:「知識を操る超読書術」メンタリストDaiGo 、かんき出版
小説など娯楽のための読書とは別で、仕事や生活に役立つ情報を得る目的の読書は効率が重要です。「知識を操る超読書術」でメンタリストDaiGo 氏が中心に扱うのは、「スキミング=拾い読み」というテクニック。スキミングによって読む本、読む箇所を減らした... -
未来と自分を変えるには物事の受け止め方を変える!:「ワンフレーズ心理テクニック」メンタリストDaiGo、PHP文庫
「過去と他人は変えられない」とは有名な言葉ですが、「未来と自分を変える」には物事の受け止め方しだいです。「ワンフレーズ心理テクニック」により、悪い流れを断ち切る習慣づくりをしておきましょう。たとえば、失敗するたびに「自分はダメな人間だ」... -
マスト・バイのやさしい経営戦略論:「ストーリーとしての競争戦略」 楠木建、東洋経済新報社
「人を見て法を説け」という言葉がありますが、「ストーリーとしての競争戦略(楠木建)」はまさにそのような本です。つまり、"おカタイ"経営戦略論の教科書とは一線を画した入門書で、とっつきやすいためオススメです。以下の目的思考と論点明快な目次解... -
デジタルな時代だからこそあえてアナログに書き出すことの効果:「人生を変える 記録の力」メンタリストDaiGo、実務教育出版
デジタルでスピーディーな時代だからこそ、アナログに書き留めて落ち着いて考える価値も高まっているのかもしれない。メンタリストDaiGo「人生を変える 記録の力」は、そんなことを改めて気づかせてくれる1冊だ。本書では、具体的なシーンを考慮し、11の課... -
知的ハードワークに挑め!ただし、技術を持って:「外資系コンサルの知的生産術」 山口 周、 光文社新書
知的生産という仕事の難しさ、タフさに挑む人に役立つ一冊。著者は「思考の技術」とは、「行動の技術」であると言います。知的生産性というのは「思考の技術」そのものよりも、「情報をどう集めるか」とか「集めた情報をどう処理するか」といった「行動の... -
勝負師を育てる土壌、壁やスランプへの立ち向かい方を学ぶ:「人生一手の違い」米長邦雄、祥伝社文庫
「人間における勝負の研究」の続き。前書では、自身の勝負と生き方の哲学について、主に内面的な問題を語っていました。谷川浩司の両親や、羽生善治ら台頭する若手たち、さらには自身の師匠、内弟子、ライバル…「人生一手の違い」は、勝負師の内面よりも、... -
ストレートネック対策に知っておきたいたった一つの方法とは?:「肩こり・首痛は99%完治する―“緊張性頭痛”も“腕のしびれ”もあきらめなくていい!」酒井慎太郎、幻冬舎
首・肩のコリや痛み、キツイっすよね……?パソコンやスマートフォンでうつむき加減になりやすい現代人に、首・肩の悩みはつきものです。首・肩の痛みを訴える人のほとんどは、「ストレートネック」。「肩こり・首痛は99%完治する(酒井慎太郎、幻冬舎)」は... -
一流の勝負師に文庫で学ぶ人生論と勝負術:「人間における勝負の研究」米長邦雄、祥伝社文庫
藤井聡太七段が棋聖位に初のタイトル挑戦をしている今日この頃、将棋棋士の人生論を取り上げてみよう。昨日の「不運のすすめ」に続き、「人間における勝負の研究」はタイトルどおり人生という勝負を論じた本です。著者の米長邦雄永世棋聖は、中原誠十六世... -
世の中は勝ちばかりじゃない、負けた後にどうするかだ:「不運のすすめ」米長邦雄、角川oneテーマ21
将棋棋士の著作が多い角川oneテーマ21から、故・米長邦雄永世棋聖・将棋連盟会長の著作を紹介します。「人間における勝負の研究」をはじめ、祥伝社文庫の著作が有名ですが絶版なので、本書のほうが書店で入手しやすいでしょう。 内容は、おなじみの米長邦...