要約・5ステップで身につける筋の良い問題解決と生産性向上の方法:『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』安宅和人、英治出版

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イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」』は、筋の良い問題解決と生産性向上に役立つ本です。「圧倒的に生産性の高い人」に共通する問題設定&解決法として、まず「イシュー」設定があります。「イシュー」とは、「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の両方の条件を満たすものです。

実は、あなたが「問題だ」と思っていることは、そのほとんどが、「いま、この局面でケリをつけるべき問題=イシュー」ではないのです。本当に価値のある仕事をしたいなら、本当に世の中に変化を興したいなら、この「イシュー」を見極めることが最初のステップになります。では、最初の5STEPを見ていきましょう

STEP1:イシュードリブン
 →今本当に答えを出すべき問題=「イシュー」を見極める
STEP2:仮説ドリブン1.
→イシューを解けるところまで小さく砕き、それに基づいてストーリーの流れを整理する
STEP3:仮説ドリブン2.
→ストーリーを検証するために必要なアウトプットのイメージを描き、分析を設計する
STEP4:アウトプットドリブン
→ストーリーの骨格を踏まえつつ、段取りよく検証する
STEP5:メッセージドリブン
→論拠と構造を磨きつつ、報告書や論文をまとめる

問題を解く前に、本当にそれが解くべき問題であるか、イシューであるかを見極める必要がある点は非常に重要です。ここを抑えていないとどんなに頭が良くて能力がある人でも成果を収められません。たとえば、国会の与野党質疑やメディア報道を見れば、彼らが以下に論点設定や優先度をできていないか一目瞭然でしょう。

多くの場合、イシューは大きな問いなので、いきなり答えを出すことは難しいです。そのため、おおもとのイシューを「答えの出せるサイズ」まで分解していきます。この分解したイシューを「サブイシュー」と言います。イシューを分解するときは「ダブりもモレもなく」砕くこと、「本質的に意味のある固まりで」砕くことが大切です。「分割して統治せよ」とは古代ローマ人の常套句ですが、いきなり分析や検証の活動をはじめず、粗くてもよいから、肝となるサブイシューが本当に検証可能かどうかを見極める作業が重要なのです。

仮説を立てるのが重要な理由は3つあります。1つ目は、仮説が単なる設問をイシューにするためです。「○○の市場規模はどうか?」という単なる設問ではなく、「○○の市場規模は縮小に入りつつあるのではないか?」と仮説を立てることで、答えを出し得るイシューとなります。2つ目は、仮説を立てて、はじめて本当に必要な情報や必要な分析がわかるからです。3つ目は、答えを出すべきイシューを仮説を含めて明確にすることで、分析結果の解釈が明確になり、無駄な作業が大きく減るためです。

良い仮説というのは答えを出す必要があること、つまり本質的な選択肢であり、深い仮説があること。また答えを出すことができることです。ありふれた問題に見えても、それを解く方法がいまだにはっきりしない、手を付けないほうがよい問題が大量にある、ということを忘れてはいけない点もポイントです。。つまり、よいイシューの条件とは、1.本質的 2.深い仮説 3.答えを出せる

もちろん、見切り発車で走りながら考える状態のときもあるでしょう。情報が集まったけど、どうしても仮説が立てられない場合には5つのアプローチを試してみましょう。
1.変数を削る…要素を固定して考えるべき変数を削る
2.視覚化する…見える化してポイントを探る
3.最終形からたどる…課題が解決したらどうなるか?
4.なんで?を繰り返す…だから何?を繰り返す
5.極端な事例を考える…数字を極端にして比較する

イシューから始めて、得られた成果物をどのように伝えたらいいでしょうか?ストーリーラインには2つの型があります。1つ目は「WHYの並び立て」、二つ目は「空・雨・傘」です。「WHYの並び立て」とは、最終的に言いたいメッセージ・結論について、理由や具体的なやり方を「並列的に立てる」ことでメッセージをサポートします。2つ目の「空・雨・傘」とは、ストーリー的な情報の伝え方の常套手段です。
空―「空は曇っている」(事実認識)
雨―「雨が振りそうだ」(解釈)
傘―「傘を持っていこう」(判断)

筋の良い論点設定と問題解決は、生産性向上に繋がります。「最終的に伝えるべきメッセージ(=イシューの仮説が証明されたもの)」を考えたとき、自分ならどういう分析結果があれば納得するか、て相手を納得させられるかと考え、そこから想定されるものをストーリーラインに沿って前倒しで作る。このプロセスの繰り返しで知的生産の力を高めていきましょう。

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この記事を書いた人

・現役世代を元気にしたいとの思いで新ブログを立ち上げ!
・本は2000冊以上読破、エッセンスを還元いたします
・金融機関で営業・調査部隊双方を経験。
・バックグラウンドは歴史とMBA

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