「ペンタゴン式 目標達成の技術」は、実際にペンタゴンで実施されている教育プログラムを、一般人にも活用できるように構成したものです。今日はこのなかから「瞑想編」をお届けします。
著者のカイゾン・コーテ氏は現役の米国国防総省(ペンタゴン)キャリアで、アメリカ空軍少佐。情報戦のエキスパートです。科学者を志すも、その後アメリカ空軍将校の道へ。在軍中に、アメリカ軍事大学院で修士課程を修め、アメリカ国防総省国防情報システム局へ入局。情報部隊のエキスパートとして、国防総省でもなんと保有率わずか1%というサイバーテロスペシャリストのライセンスを取得しているとのこと。国防総省、軍で行われている様々なトレーニングの中から、人生の可能性を広げ、成功するために有益なノウハウを抽出し、一般向けにアレンジした独自メソッド「リビング・エンライトメントシステム」を2011年に完成しました。
呼吸と並び、現在最もペンタゴンが重要視しているトレーニングは、なんと「 瞑想」です。呼吸が身体的側面から働きかけるのに対し、瞑想は 心理的側面から心に働きかけ、私たちのパフォーマンスを最適な形に調整する優れた方法と言えます(「呼吸編」も後日紹介しますね!)。 ペンタゴンが、瞑想を正式トレーニングに採用した理由とは、 一日のうち数分だけでも完全に自分の中に沈黙をつくることの有効性を認めたためです。どんなに難しいミッションでも落ち着いてこなせる「安定した自分」を創造するために、「瞑想」はまさに必要不可欠なものなのです。
全米における自殺率の増加は近年の社会問題です。特に現役兵士、退役兵士の自殺者数は年々増え続けており、2012年にはアフガニスタンでの年間戦死者数を上回りました。この現実を重く見たペンタゴンでは、原因究明のために専門チームを結成しました。「マインドフルネス瞑想」はこうした事情から誕生した特別トレーニングプログラムを実行。ワーストレコードと非難された 自殺者数が、2012年からたった1年間で 22%減少したのです。もちろん瞑想だけで 22%自殺率が減少したとは言い切ることはできないでしょうが、本格導入の時期と一致しており、大きく寄与したことは確実と言えるでしょう。
そもそも、現代社会は確かに便利になりましたが、気が休まらない時代でもあります。つまり、同時に私たちは生活の中に「静寂」を失っている状態なのです。常に 何らかの情報が私たちを包囲し、思考は休むことなく働きづめ です。 このような世界で生き抜くには、常に変化に対応する柔軟性が要求されます。そのために一番必要なことは「脳と思考」を意識的に休ませることと言えるでしょう。
先程の自殺率減少のみならず、瞑想にはざっくり以下のメリットがあると言われています。
- アンチエイジング効果
- 免疫力の向上
- 治癒能力の向上
- 血糖値の安定
- 血圧の低下
- コレステロールの低下
- 病気発生率の低下(心疾患、消化器系疾患、鼻・喉・肺の疾患、生殖器系・泌尿器系疾患など16の主要な疾患)
- 心理的ストレスの解消
- 疲労解消効果
- 深い休息効果
- 睡眠時間の短縮
- 不眠症の改善
- 寿命の延長
- 喫煙の抑制
- 飲酒の抑制
ペンタゴンでは毎日5分から 45 分の瞑想が効果的であるとしており、実際のところの 現場での瞑想時間の平均は約 12 分 と言われています。マインドフルネス瞑想のやり方は、まずリラックスする姿勢をとります。床に座っても、イスに座っても構いません 肩の力を抜いて、目を軽く閉じます。4カウント吸って、8カウントで吐く基本呼吸をしながら、リラックスしていきましょう。目を閉じるのが心地よくない場合には、開けたままでも構いません 。今、この瞬間に起こっていることに意識を向けます。例えば音に集中するとか、風の音、雨音に集中するのでもOKです。ただひたすら、その音だけに意識を向けましょう 。特に初心者にお勧めなのは、自分の呼吸に意識を向ける方法です。息を吸う、吐くという、呼吸のリズムにだけ集中してみましょう。ゆっくりと呼吸を続けながら、心が落ち着くのを感じながら 10 分程度毎日これを行います。
ペンタゴンでは毎日5分から 45 分の瞑想が効果的であるとしており、実際のところの 現場での瞑想時間の平均は約 12 分 と言われています。マインドフルネス瞑想のやり方は、まずリラックスする姿勢をとります。床に座っても、イスに座っても構いません 肩の力を抜いて、目を軽く閉じます。4カウント吸って、8カウントで吐く基本呼吸をしながら、リラックスしていきましょう。目を閉じるのが心地よくない場合には、開けたままでも構いません 。今、この瞬間に起こっていることに意識を向けます。例えば音に集中するとか、風の音、雨音に集中するのでもOKです。ただひたすら、その音だけに意識を向けましょう 。特に初心者にお勧めなのは、自分の呼吸に意識を向ける方法です。息を吸う、吐くという、呼吸のリズムにだけ集中してみましょう。ゆっくりと呼吸を続けながら、心が落ち着くのを感じながら 10 分程度毎日これを行います。
コーテ氏は、重要なのはスタイルより、「瞑想の習慣化」が重要と説きます。日常に心の静寂をつくり、一日に一度、生活の雑音を遮断し、脳を休めることをが瞑想の主な目的です。 マインドフルネス瞑想の「マインドフルネス」とは、「意図的に今、ここに意識を向ける」というような意味があります。瞑想は思考を無にすることがポイントですが、慣れないと、なかなか難しいものです。人の思考は川の流れのように、絶え間なく動き続けるため、集中しようとしても頭の中で起こる「思考のおしゃべり」が止まらないのです。「思考のおしゃべり」とは、 次から次にあふれ出る自分自身との対話 です。人は通常、絶えず心の中で、こうしたおしゃべりをしているものです。心に引っかかっている不安なことや、未解決のタスク、忙しさゆえに後回しにしてしまっているようなことなど、気がかりなことは誰でもあるはずですが、思考を無にしようと「意識」をすると、不思議とそのようなことが頭に浮かび、感情が動かされてしまうのです。こうした状況に陥ると、精神の静寂にはたどり着けません。
それを防ぐ一番簡単な方法は、逆説的ですが、「思考を無にしようとしない」ことです。「無にしよう」とすると、そこに意識が集中してしまうために、結局「無」にはなりにくいのです。その代わりに、 周囲で起こっている全く別の状況にフォーカスします。それが、「今、ここ」で起こっていることに集中をするということです。耳に入ってくる音や皮膚の感覚だけを、判断などをすることなく、ひたすら観察し続ける、あるいは実況中継をし続けるというような感じです。そうすることで、逆に思考の動きが休息するのです。 「マインドフルネス瞑想」の利点は、まさにここにあります。つまり意識して「無」になろうとしなくても、必然的に思考が無になる状態をつくりやすいのです。また、「座禅を組む」「正座で座る」など、何か「このようにしなければならない」というルールもありません。この手軽さゆえに、ペンタゴンでも上手く瞑想の日常化が広がったのです。
実際にペンタゴンで実施されている教育プログラム、まずは瞑想からやってみませんか?