「営業マンの君に勇気を与える80の言葉」は営業マンでなくとも元気がもらえるパワーに満ちた本です。著者の津田晃氏は1944年生まれ。早稲田大学商学部卒業後、野村證券で活躍した。実践的なアドバイスや心を奮い立たせる言葉が満載です。
「人間にもともとある能力や体力の差はせいぜい2、3倍。だが、やる気の差は数十倍、数百倍の結果の差を生む」は、「微差は大差なり」を象徴するとともに、精神論も案外馬鹿にしたものではないと思えます。「腹をくくれば多少の辛さも耐えられる。辛さに耐えられれば今度は面白みを感じる余裕が出てくる。」との言葉は覚悟の重要さを示しています。
「いい時には差はつかない。逆境の時にどんな努力をしたかで大きな差がついてくる」もコロナ禍の今、身に染みます。悪い時だからこそ、どうしたら売れるかを必死で考え行動に移す人と、悪い時だから頑張っても無駄と思ってしまう人では決定的に差がついてしまいます。また入社した時から色々な能力やノウハウをコツコツ積み上げてきた人とセンスやその場のノリでなんとかなってきた人の間には、時間が経過するほど違った結果が現れてくることでしょう。
「昨日まではダメ社員でも、営業という仕事なら逆転できる!」という言葉も励みになります。証券業界という特殊性がこの言葉にはバイアスとしてはあるものの、結果を出して見返すことができるのは営業の醍醐味です。何度でも月末も四半期末も年度末もやってきますが、その度に良い方向へと仕切り直しして再スタートできるかが肝心です。
「誰が給料をくれるのかを考えれば、誰を一番大切にすべきかがわかるはずだ!」は原点に立ち返る言葉。お客様第1である理由をこれほど直接的に説明できる理由も他にそうはないでしょう。給料を払ってくれる方が目の前にいるのだから、目の前の相手に対して身を粉にして働くのは当たり前のことなのです。
マネジメントの観点では、美点凝視に関わる言葉が多いです。「褒める時は相手の努力や頑張りを褒めろ!」、「相手の悪いところを気にしていても嫌いになるだけで、いいことなど1つもない!」、「人と知り合ったら、まず片目をつむれ」。相手の嫌なところやあら捜しばかりでは仕事は前に進みませんし、お互いモチベーションが上がりません。褒め言葉はタダですし、考え方・接し方を変えて職場を良い方向へ回していきましょう。