言わずと知れたアップル創業者スティーブ・ジョブズの語録です。ジョブズのエピソードなどは他にも様々な本が出ていますが、語録と解説のかたちでコンパクトな1冊です。ここでは、ジョブズの名言をいくつか紹介しよう。
まず、「コンピュータに進んだのは、やってる人がほとんどいない領域だったからだ。」と言う言葉からは、目の付け所と、それに対する情熱の継続がジョブズの成功を導いたことが分かります。
また、「IBMはパソコンを知性の道具ではなく、データ処理の機械として売っている。」の言葉からは、商品の定義というマーケティングの視点が窺われるます同一商品の再定義は、企業には新たな利益ポテンシャルの道を開き、消費者には新たな利便性をもたらします。
「最善とはいえない状況でやった仕事に、いちばん誇りを感じる。」という言葉からは、今、このときにがんばる気概を感じます。最善の状況が整ったときに物事をやれるようなことは、まずないのだから、そうした状況でも全力を尽くすことがそれこそ”最善”の行動でしょう。
「年を取れば取るほど動機こそが大切だという確信が深まる。」は、特に大企業は肝に銘じるべきです。企業は大きくなればなるほど、存在することが自己目的化してしまいがち。たとえば、「消費者に○○の商品を提供する」などの、企業の存在意義が本来あるはずですが、大企業になると形骸化しやすいのです。存在理念に立ち返ることが、歴史ある企業の復活に繋がります。
「社会が消滅を許す唯一の組織が企業である」とドラッカーは言っています。病院や大学はいかに役に立たず生産的でなくとも、戦争や革命でも起こらない限り、その消滅は社会が許しません。だが、企業はそうではないのです。アップルが革新的な商品を生み出せず、アップルがアップルでなくなったとき、その存在意義は消滅するのかもしれませんね。
人間のポテンシャルを感じさせる言葉もあります。「危機に直面すると、ものごとが良く見えてくる。」や、「すぐれた仕事を出来ないのは、そう期待されていないからだ。」人間は誰しも最初から能力を持っているわけではなく、能力が求められたときに発揮を始めるのです。危機に直面した土壇場の冴えや、期待の効果の程が窺えます
「点が将来結びつくと信じなくてはいけない、信じるものをもたなければいけないのだ。」はスタンフォード大学でのスピーチの一節で有名でしょう。是非このスピーチは聞いてもらいたいものです。