仕事、家庭、ネット空間…あらゆる場所と時間にストレスにさらされている時代。死の瀬戸際に行く前に現代人は習慣の力も利用して人生を良い方向に向け、自衛する必要があります。「読書で現役世代を元気にするブログ!」を運営する身としては悲報を看過できません。今日は「心が折れそうなとき1分間だけ読む本 」(松本幸夫)を紹介します。有名な本ではありませんが、99のセラピーを具体的に紹介している点が特長です。今日はその中から7つだけ要約していきます。
1.イライラしたら、目指しを齧ってスクワット!
イライラするとやるせない気持ちになって、思考が堂々巡りになってしまう、そんな時がありませんか?もやもやした気持ちはスクワットにぶつけましょう。全身のエネルギーを発散させるのに最も効果的です。脚の筋肉は体の筋肉の三割近くを占め、基礎代謝を高めることで間接的にダイエット効果にも繋がります。健康にも良いです。また、メザシのような固い食品をゆっくり噛むことで、「頭にきた」エネルギーも発散させてしまいましょう。 メザシからは、カルシウム摂取もできます。メザシなどの青魚に多量に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった脂肪酸は、体を健康にして気力を回復させます。
2.呼吸で神経を整えよう!
ストレスに対処する一つの方法は、呼吸をコントロールすることです。ストレスがたまると、呼吸が大きく変わってきます。短く浅い息になるのです。私たちの心身を動かす自律神経には、二種類があります。「 1.交感神経 緊張し戦うための神経です。アドレナリンを分泌させ、心臓の鼓動を速め、血圧を上げて体を興奮させます。呼吸も短く速くなります。 2.副交感神経 リラックスし休息する神経です。アセチルコリンを分泌させ心臓の鼓動を遅くし、血圧を下げて心身を落ち着かせます。呼吸は長くゆっくりになります。」自律神経は直接意識的にコントロールできませんが、呼吸自体は意識的に変えられます。間接的に働きかけるわけです。
具体的には、ヨガで「クンバハカ(止息)」と呼ばれる呼吸法の応用が効果的です。息を吸う、止める、吐くの比率が、1対4対2になるように呼吸します。たとえば息を5秒吸ったら、20秒止めます。そして10秒かけて吐くのです。さらに効果的にするポイントは、息を止めている間のイメージです。 息とともに吸い込まれたプラーナ(気、ヨガでいう生命エネルギーの 素)が全身に満ちていくイメージを描きます。ストレスによる脳疲労を回復する習慣をつけていきましょう。
3.この世にプラスの良い言葉と気持ちを増やす
マイナスの言葉を発する・考えるのはたやすいです。SNSを使えば余計に簡単です。こんな時代だからこそ、プラスのことを世の中に増やす、自分自身プラスのことを考える必要性は増していると言えるでしょう。とはいえ、なかなかほめるって難しいんですよね。「いいですねえ!」と言うだけでは、あまり喜ばれません。人によってはおせじかと疑ったりするでしょう。そこで、ほめ言葉に理由をつけるPR話法が有効です。 「P(Point)」は、ほめ言葉そのものです。 「R(Reason)」は、なぜほめたのかの理由です。ほめ言葉のあとに、ちょっとでも理由を添えるだけで、あなたの褒め言葉は変わります。また、相手を褒めることは、「感謝されない」「ほめられない」「認めてもらえない」悩みの一つの解消法としての効果もあります。「好意の返報性」という言葉があります。好意に対して基本的には好意が返ってくるのは人間の普遍的な心理なのです。
4.言葉を受け止めるときは無罰的に捉える
言葉のナイフは、面と向かってだけではなく、SNSなどネット空間でも飛んでくる時代です。言葉の受け止め方を一工夫して、ストレス社会の荒波を巧みに乗り切りましょう。マイナス事態が発生した時の反応を、心理学では3つに分けています。 「1.自罰……自分を責めてしまう 2.他罰……他人のせいにしてしまう 3.無罰……誰のせいにもせず前向きに考える」の3つです。たとえば、会社で上司に叱責された、取引先で苦言を呈された、顧客にクレームをつけられた……。そんな時、必要な反省や改善はすべきですが、自罰的かつ非生産的な落ち込みは前向きな効果をもたらしません。「自分はなんてバカなんだ。無能だよ。嫌われている」と落ち込んでいくと、心だけでなく、能力まで萎縮してしまうのです。とはいえ、他罰的な態度や考え方では、事態の改善も自身の能力の向上も促しません。さらに「悪いのはお前だろ」という気持ちがしぐさや声の調子に出たり、自己の成長にも繋がらなくなってしまいます。 「相手は期待してくれている。だからこそ、温かく叱咤激励してくれるんだ」と無罰的に捉えると、気が楽になります。自分の欠点も、相手の言いすぎも客観的に見えて、ポジティブに対処できます。自分も相手も罰する対象ではありませんし、罰したところでなにか生産的な効果があるでしょうか?極端な話、何を言われても「そうかあ! 自分は期待されているんだ」と受け取るくらいで十分なのです。
5.ベンジャミン・フランクリンの13の徳目
ベンジャミン・フランクリンの13の徳目はご存知の方も多いでしょう。とはいえ、13の徳目すべてを最初から実行するのは難しいです。コツとしては、当のベンジャミン・フランクリンも、毎週1つの教訓をテーマに生活していた点にあります。1年間は52週間なので、13の徳目を1週間ずつ実行すれば、年4回のローテーションになるわけです。
1.節制……頭が鈍るほど食べない。酔って浮かれ出すほど飲まない 2.沈黙……他人または自分自身の利益にならないことはしゃべらない 3.規律……持ち物はすべて置くべき場所を決めて置く。仕事は時間を決めてやる 4.決断……やるべきことを実行する決心をする。決心したことは必ず実行する 5.節約……他人または自分のためにならないことに金を使わない 6.勤勉……時間をむだにしない。必要のない行為は切り捨てる 7.誠実……策略を用いて人を傷つけない。悪意を持たず公正な判断を下す 8.正義……他人の利益を損なったり、与えるべきものを与えないで損害を及ぼさない 9.中庸……両極端を避ける。激怒するに値する侮辱を受けても、激怒は抑える 10.清潔……身体、衣服、住居の不潔を黙認しない 11.平静……日常茶飯事や、避けがたいできごとで心を乱さない 12.純潔……性の営みは健康、または子孫のためにのみ行なう。それにふけって頭の働きを鈍らせたり、身体を衰弱させたり、平和な生活や信用を損なわない 13.謙譲……キリストとソクラテスに見習う
6.鉄人ルー・テーズ式、続け続ける方法!
どうしよう、毎日やりたいことが続かない……そんなあなたは、ルー・テーズの知恵を借りましょう。ルー・テーズといえば、九三六連勝という大記録を打ち立てた鉄人です。古いプロレスファンならご存知でしょう。そのルー・テーズに、新人がおそるおそる質問したのだそうです。「自分はトレーニングが嫌いで、どうしても三時間以上できません、どうしたらいいでしょうか」と言うのです。プロレスラーともなれば、スクワット1000回とか、そういう世界です。ところが、テーズの回答はこうでした。 「明日ジムに来なさい。そして、二〇回スクワットをしてすぐ帰りなさい」 。新人が驚いていると、テーズは続けて言いました。「明後日は腕立て伏せ二〇回で帰る。決してそれ以上してはダメだ。三日目はベンチプレスを一番軽い五〇キロで三回。それで帰りなさい。四日目に私はまたジムに来るから、話を聞こうじゃないか」 。新人は戸惑いつつも鉄人の言うことですから、素直に従いました。そして四日後、現テーズに報告しました。 「ありがとうございます。あの日から毎日六時間以上トレーニングできました」 その新人は、あまりにも軽いトレーニングなのですぐに終えました。そして帰ろうとしたものの、「ついでだから、もう少しやっていこう」となって、気がつくと三時間どころか六時間もトレーニングしてしまったのです。
この逸話を応用すると、あらゆる物事が継続できるようになります。たとえば、「勉強しよう」と決意したら、今日は半ページだけやりましょう。明日も半ページでかまいません。その次の日も半ページ。時間ベースに置き換えてみると、決めたことを1日わずか15分間だけやるだけでもいいです。自分に課すノルマを、「1日わずか15分間でいい」と下げてしまいます。人間は「1日のいつでもいい。15分間だけやろう」とラクな目標を設定すれば、必ずできるものです。とはいえ、たった15分間でも毎日やるのはすごいことです。1日3時間勉強して、あとは怠けてしまうのと、1日15分間ずつ12日間続けるのとでは、どちらが効果的か言うまでもありません。「隙間時間」活用にもつながる方法です。分量や時間ベースで、グンと1日あたりのハードルを下げてしまうと、最初のとっかかりに手をつけやすくなります。一度手を付けてしまえば、ついつい下げたハードル以上のことをやってしまうものです。
7.やることを整理!「アイビー・リーのToDoリスト法」
どうしよう、仕事に何から手を付けたらいいかわからない……そんな時には、ブライアン・トレーシーの本でも紹介されている有名な「アイビー・リーのToDoリスト法」。私も仕事で実践しています。「アイビー・リーのToDoリスト法」は、100年以上昔、経営コンサルタントのアイビー・リーが、ベスレヘム製鉄のボスであるチャールズ・シュワブに能率向上の手段として提案し、2万5000ドルという巨額の報酬を得た逸話に基づく話です。方法はシンプル。 1.終業時に、明日やるべきことを6つ書き出し、重要順に番号を振る 2.翌日、その番号順にやるべきことをやっていく 3.終業時に、やり残したことも含めて、再び明日やるべきことを6つ書き出し、重要順に番号を振る 。優先順位を決めて一つずつ集中して取り組む。シンプルながら効率的な仕事の進め方としてとても役立ちます。最近は特にテレワークに取り組む方も多くなってきたと思います。職場で人の目を感じながら、マネジャーの指示の下で取り組むのとはまた違いますが、「アイビー・リーのToDoリスト法」も活用して、自律的なやり方で取り組むと、さらにあなたの仕事は捗ります!