結婚・子育て・SNS時代のメンタルケアの処方せん:「鴻上尚史のほがらか人生相談」鴻上尚史、朝日新聞出版

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人生に悩みはつきもの。鴻上尚史先生(劇作家・演出家)のAERA.dotの人気連載書籍化「鴻上尚史のほがらか人生相談」で、悩みとの向き合い方のヒントを貰っちゃいましょう。さっそくほがらかに、結婚・子育て・SNS時代のメンタルケアの処方せんを紹介していきます!

目次

結婚について:適切な距離感を調整する


結婚。この度の在宅ワーク時間の増加で、改めて家族との向き合い方にお悩みの方も多いかもしれません。さすが、劇作家・演出家だけあって、距離感の観点からアドバイスをしています。鴻上先生はこのように語っています。
「考え方も感じ方も育ち方も生き方も違う二匹の動物が、狭い空間に長期的に生存したら、恋愛感情や好感情が小さなぶつかりとすれ違いを繰り返しながら、ゆっくりと不機嫌に変わっていくのは必然だと僕は思っています。(略)僕の周りで不機嫌に染まっていない夫婦は、システムとしてお互いが一人の時間をちゃんと作っています。」

程よくくっつき、程よく離れる。相手との距離感の調整が、夫婦円満の鍵です。どんな仲良し夫婦でも、四六時中一緒では時には諍いもあるでしょう。必要なときは程よく離れることも円満の秘訣です。いわば、家庭内のプチ・ソーシャル・ディスタンスと言えるでしょう。

離婚についても以下のようにコメントしています。
「よく離婚の理由で価値観の違いという言葉が出てきますが、他人同士なのだから価値観が違うのは当たり前だと僕は思っています。重要なことは価値観の違いを前提に、関係を続けるのか終わらせるのかを決めることはできないのです。そのためにも話すことです。話すことでしか、関係を続けるのか、終わらせるのかを決めることはできないのです。」

夫婦といえども他人であるという認識に立ち返るのは、まさにコロンブスの卵です。価値観の違い自体は当たり前であって、そのことを再認識することから始まるのです。すり合わせるところはすり合わせ、相容れないことについては互いの考えを認め、それぞれが自分の意見を保つ。分けて考えることが重要と言えるでしょう。

4歳児と子育て:子育ては頑張らない、精神的余裕を保つ


魔の4歳児は、とにかく理不尽な存在。頑張って子育てに取り組んできたママさん、パパさんには、言葉を使えるようになり始めたのに、意に沿わない存在として急激に憎らしくなる頃です。.なんでも「イヤ!」と反抗する、暴言・暴力、思い通りにならないと泣きわめく事態にはどうしたら良いでしょうか?育児関連の情報サイトには、「イヤ!」と反抗されたらまず冷静に理由を聞く、選択肢を提案してお子様に選ばせる、抱きしめるなどのスキンシップ、最後の手段!担いで退場!などのアイデアが、対応例として示されています。

育児疲れのママさんに、鴻上さんは、ちゃんと寝てますか、仲間に愚痴ってますかと優しく問いかけます。「理屈が通じない理不尽さに直面した時に、それを乗り越えるにはまずエネルギーが必要です。(略)そして、理不尽を乗り越えるためには、ちゃんとした睡眠とともに、精神的余裕が必要です。」
精神的余裕を保つには、一人になれる時間を確保、悩みを理解してくれる人と話すなどが重要な手段です。また、子育てを頑張るという抽象的なことよりも、むしろ子育てを頑張らないことをおすすめしています。子育てとは、「子供を守り世話を焼くことではなく、子供を健康的に自立させること」。目先は辛いことも多い時期ですが、長期戦です。程よく頑張らず、続けていきましょう。

SNS時代のメンタルケア:プラス方向の自己表現を目指す


「スマホは奇跡を実現しました。膨大な情報量によって、人は自分の読みたい文章・記事だけを読んで一生を終えることができるようになりました。だからこそ、現代の人々は不寛容になったと僕は思っているのです。」

インターネット空間の広がりを、Twitter、Facebook、Instagram…SNSがさらに広げているご時世、スマホやPCを眺める時間にもメンタルケアは必要です。何のこともないつぶやきに加え、強調された喜怒哀楽のほとばしりが渦巻いているからです。かえって、人間は偏狭になってしまったようにも見えます。

マイナスの自己表現ではなく、プラス方向の自己表現に目を向けることが対策になります。鴻上先生はこのように助言していますl。
「正義に反する人たちに対する怒りで自己表現をするのではなく、自分の趣味や関心事に自分のエネルギーを注ぎ、その方面で自分を表現することです。(略)他人に対する怒りを自己表現の基本にするよりも、好きであるということを自己表現の基本にすることは、精神衛生上も人間としてもはるかに素敵なことです。」

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この記事を書いた人

・現役世代を元気にしたいとの思いで新ブログを立ち上げ!
・本は2000冊以上読破、エッセンスを還元いたします
・金融機関で営業・調査部隊双方を経験。
・バックグラウンドは歴史とMBA

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