時間の使い方を「消費」から「投資」へシフトしていくことで、仕事や趣味をより充実した人生へと変えることができます。「レバレッジ時間術 ノーリスク・ハイリターンの成功原則(本田 直之、 幻冬舎新書)」は時間に対する意識、もう少し大げさに言えば「人生観」を変えてくれる良著です。
時間に対する向き合い方で人生は変わります。何かに不満を抱いたり、不平を言うことに人生の貴重な時間を費すよりも、時間を前向きな用途に使うことで、仕事も人生も良い方向へと向かいます。『時間を浪費する人は、収入も増えないし、自分の時間も持てない。逆に時間を投資する人は、仕事で大きな成果を上げるだけでなく、そこから不労所得的に生まれた時間を使って、旅行に行ったり、家族とともに過ごしたりして余裕のある生活を送れます』
「忙しい」を口癖にするよりも、より効率的に仕事をするにはどうしたらいいかに知恵を絞るほうが有意義です。本田氏が言う通り、『問題なのは、「忙しい」 =「これ以上は何もできない」と思い込んでしまうことです。つまり、効率化する努力を放棄して、勝手に自分の限界を引き下げてしまうわけです。これでは、時間資産はできません(略)そこで、もし「忙しい」と自認している人がいれば、ぜひ冷静に自問してみてください。その忙しさは、成功している企業の経営者を凌ぐほどでしょうか。あるいは一国の大統領や首相より時間に追われているでしょうか』
「天引き貯金」の発想はとても重要です。やりたいこと・やるべきことを明確にして、最初にスケジュールから天引きしてしまうのです。『時間資産を増やすうえで、もう一つ重要なのは、「天引き貯金」の発想です。 お金を貯めるための、最も確実な方法は、収入のうちの一定額をあらかじめ貯蓄に回し、残ったお金で生活をするという方法です(略))重要なのは、やりたいこと・やるべきことのための時間を、あらかじめスケジュールから「天引き」してしまうこと』
「仕組み化」とは、別の言葉で言えば、再現性を持たせることという言葉も素朴ですが重要です。仕事の中身が属人的にならないように、再現性のあるマニュアルの整備ややり方の共有を通じて、チーム内の仕事のボトルネックを排除することができます。また、スケジュールの点では、たどり着きたい成果から逆算して考え類ことが重要です。「レバレッジ・スケジューリング」の柱になるのは、「 俯瞰 逆算スケジュール」と「時間割」、そして「タスクリスト」の3つであると本田氏は述べています。
絶えず、現状をより良くすることを考えるのはとても前向きな姿勢です。この発想を持って仕事に取り組めば、いかなる仕事でも飽きることはありません。『どうすれば今よりよくなるかを考えることが課題であって、「課題」と「成果」とは表裏一体の関係にあります。たとえば、週五時間かかっていた仕事を一時間で終わらせるのも「課題」だし、英語を話せるようになるというのも「課題」』。課題と成果の解決のサイクルが循環することで、仕事も人生も回っていくのです。