効果は大英帝国・明治日本が立証済み!:「自助論」スマイルズ、知的生き方文庫

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生き馬の目を抜く困難な時代、最終的な自分の味方は自分自身であることを思い出して、立ち上がりたいですね!「自助論」の序文、「天は自ら助くる者を助く(Heaven helps those help themselves.)」という格言は有名です。「自助論」は『西国立志編』として1871年(明治4年)7月に日本で発売されると、明治時代の終わりごろまでに100万部以上を売り上げたというのですからすごいですね。人口3000万人の時代でしたから、現代に直すと400万部のベストセラーのレベルです。

「自助論」はどの年齢で読んでも学びのある本ですので、内側から自分を元気にしたい時に読むと非常に効果のある1冊です。私自身にとっては、高校時代にブックオフでこの本に出会って読み、一念発起した思い出の本でもあります。内容は、物心ともに豊かな良い人生を生きた人々のエピソードと自己実現法を書いた実例集で、とにかくこれでもか、これでもか!というくらい押し寄せてきます。

本書をかいつまんで要約するならば、「自助の精神」「自己修養の心」「優れた人格の形成」が大切だということです。すなわち、自助とは勤勉に働き自分自身の運命を切り開くこと.自己修養とは自発的かつ積極的な学習のこと.優れた人格の要素とは誠実、高潔、善意などであり、様々な人物の例を用いてこれらの大切さを繰り返して説いています。今回は5つのポイントに分けて、名言をベースに印象に残った箇所をご紹介します。

目次

①自分を助けるのは自分自身!

『外部からの援助は人間を弱くする。自分で自分を助けようとする精神こそ、その人間をいつまでも励まし、元気づける。その人のために良かれと思って援助の手を差し伸べても、相手はかえって自立の気持ちを失い、その必要性をも忘れるだろう。保護や抑制も、度が過ぎると役に立たない無力な人間を生み出すのがオチである』

世界のすべての人が敵に回ったとしても、自分だけは自分自身の味方でいることが可能です。「過去と他人は変えられない」という言葉がありますが「現在と自分は変えられる」のです。外部からの援助は自転車の補助輪のようなもので、あくまで自分の力と意志に依って立つことが肝心です。

貧苦は人間を立ち上がらせ、社会との戦いに駆り立てる。社会には、安楽を得ようとした結果、自分を堕落させる者もいる。だが、 真摯 で誠実な心を失わない人間は、勇気と自信を得て、大きな勝利を収めるにちがいない』

社会を見渡せば、可処分所得は下がり、社会保険料率は上がるばかりで、「働けど 働けど 猶わが生活(暮らし)楽にならざり ぢっと手を見る」と言いたくなる気持ちもよくわかります。しかし、だからといって、社会に打ちのめされたままでいいのでしょうか?社会(あるいは政府など)が、あなたの生活や仕事を良くしてくれるとは限りません。自分自身で考え、立ち上がり、社会に向き合うことで活路が開けます。少なくとも、手を差し伸べてくれる人を待ち望むよりも、可能性が高い方法です。

②積み上げの力、コツコツの力!

『わずかな時間もムダにせず、コツコツと努力を続ければ、積もり積もって大きな成果に結びつく。毎日一時間でいいから、無駄に過ごしている時間を何か有益な目的のために向けてみるがいい。そうすれば、平凡な能力しかない人間でも必ず学問の一つくらいはマスターできるようになる。』

『立派な仕事のために時間を使えば、人生は実り豊かなものになり、死ぬまでに多くの有意義な成果を上げられるだろう。一時間といわず、一日のうち十五分でもいいから自己修養に向けてみるがいい。一年後にはきっと確かな効果が表われるはずだ。すぐれた思想や苦労して得た経験は、保存するにも場所を取らず、どこへ持ち歩いても金がかからず、足手まといにもならない。時間を経済的に使うのは、空いた時間を確保する正しい方法でもある。時間を上手にやりくりすれば仕事に追われたりせず、課題を完全にこなした上に、さらに先の仕事にも着手できるようになるだろう。』

何か上達したいことを1日1時間あるいは15分でも継続したらすごいことです。1時間コースは1年で365時間ですし、15分コースでは90時間15分です。「たいていのことは20時間で習得できる 忙しい人のための超速スキル獲得術 」という本がありますが、これに照らしわせてみると、いかに多くのことが出来るかがおわかりいただけるかと思います。業務外の自己研鑽や読書、趣味に1日のうち少しでいいから充当してみよう。私自身はTwitterで「#今日の積み上げ」タグを愛用して呟いています。このブログが100日連続更新を達成する見込みなのも、そのおかげです。

「人間は、幸福と進歩を生み出すものに考えを向けるだけの意志力を持っている。反対に、不幸や退廃からは目をそむける力もあるはずだ。ほかの習慣と同じように、ものごとを楽天的に考える習慣もこの意志力から生まれてくる。楽天性を育て上げる教育は、知識や教養を目一杯詰めこむよりはるかに重要な教育といえるだろう。どんな小さな穴からでも日の光が差しこむように、ほんのささいなことがらからでも人それぞれの人柄がはっきりと見てとれる。実際、人格の優劣というのは、ちょっとした行ないが立派にできたかどうかにかかっている。日々の生活とは、ちょうど石切場のようなものだ。そこからわれわれは習慣の土台石を切り出し、それを仕上げていくのである。

「微差は大差なり」という言葉があります。ちょっとした一言、気遣いが出来るかどうかは大きなポイントです。また、1日ずつ積み上げについても、集中力や時間の使い方の微差の積み上げが、最終的には大差になっていくのです。

③ビジネスパーソンの9つの資質

注意力、勤勉、正確さ、手際のよさ、時間厳守、そして迅速さという六つの条件はビジネスマンには欠かせない。だが、第一級のビジネスマンをめざすには、さらに、すばやい直観力と計画を断固やり抜く強い意志が必要だ。それとあわせて、世渡りをする上での如才なさも重要な資質である。』

コロナ禍におけるテレワークの浸透を考えると、自己管理能力はますます重要性を増しているといえるでしょう。自己をマネジメントできなければ、ましてや他者をマネジメントすることは出来ないのです。スマイルズはビジネスパーソンの6つの基礎的な資質として、「注意力、勤勉、正確さ、手際のよさ(段取り力とも言えそうですね)、時間厳守、迅速さ」を挙げています。さらに、応用編の資質としては「直観力、計画を断固やり抜く強い意志、世渡りをする上での如才なさ」を付け加えています。この9つの資質は、必ずしもMECEではないのかもしれませんが、自らの仕事の内容に置き換えてブレイクダウンして考え・工夫することで、あなたの仕事のクオリティを高めてくれるでしょう。

④人生を豊かにする倹約、節制の習慣

『ウォルター・スコットは常々、「あらゆる悪徳の中でも、飲酒ほど成功の妨げになるものはない」と語っている。そればかりでなく、飲酒は金の浪費につながり、人間の品性と健康を破壊し、誠実な生活までをもぶち壊す。節酒ができないなら酒を断つべきだ。』
勤勉と倹約に励むだけで、自活の道は開ける。いかに生活がきびしくとも、つつましく暮らし、不要な支出を抑えれば、何とか生計のメドは立つものだ。 一枚の銅貨には、さしたる価値などない。だが、快適な家庭生活を送れるかどうかは、この銅貨の使い方と蓄え方いかんにかかっている。せっかくの重労働で貴重な報酬を得ても、酒代やあれこれのムダ遣いに銅貨が一枚、さらに一枚と消えるのを見すごしていては、奴隷同然の生活から抜け出せない。逆に、家計の維持や家族の教育を念頭に置き、はした金でも保険や貯蓄に回すように心がければ、その見返りは計り知れない。資産は増え、生活は向上し、将来への不安の大部分は吹き飛んでしまうだろう。』

コロナウイルス蔓延に伴い、飲み会が減った結果、3つのメリットがあったと考えています。それはお金、時間、健康です。もちろん、気晴らしとして宴席の場は私も大好きなのですが、月3~5回くらいの飲み会があったときと比べ、公私ともにパフォーマンスが高くなっていると感じています。「飲酒」をやめる、あるいは1次会のみにする、参加数を絞る、宅飲みに移行する、宅飲みの酒量を減らすだけで、あなたの「お金、時間、健康」の3つは改善することは間違いありません。また、地道な「勤勉と倹約」の積み重ねは、仕事や生活を律し、人生のクオリティを高めるドライバーなのです。

⑤主体的な学び、便利さより困難に立ち向かうのが肝心

「他人から押しつけられた教育は、自分で熱心に努力して得たものほどは身につかない。自らの汗と涙で勝ち取った知識だけが、完全に自分の所有物となるのだ。 自分自身が勉強すれば、その内容についての印象はいつまでも鮮明に残る。人から与えられた不十分な情報とは違って、脳にはっきりと刻みこまれる。このような自己修養は、同時に学問への情熱を呼び起こし、それを強める。一つの問題を解けば、それが次の問題を征服する励みとなり、知識はしだいに実際に役立つものに変わる。要するに、自分から学ぼうとする姿勢が肝心だ。いかにすぐれた書物や教師にめぐり合おうと、丸暗記の授業をどれだけつづけようと、このような自己修養の姿勢が不要になることはない(略)教育には、基礎的な体力や健康づくりと同時に精神を使う習慣を養うことも欠かせない。人間をつくるのは、安楽ではなく努力――便利さではなくて困難である。もちろん人生の途上に横たわる困難は、成功へのはっきりした手だてが得られて初めて克服できる。しかしながら、失敗がわれわれの最良の経験となるように、こうした困難もわれわれには最良の教師となるのだ。

ますます、主体的に学ぶ意義が非常に大きい時代になりました。たしかに現代はGoogleの検索ボックスに言葉を放り込めば、それらしい答えは返ってくるかもしれません。しかし、自身が主体的にどのような問いを立てるのか、日常(ネットも含めて)様々に言われていることの真贋を内なる知識と思考でどう見極めるかなどについては、主体的に学ぶ習慣を持つ人とそうでない人の差は開くばかりだと言えるでしょう。鵜呑みでは踊らされるばかりです。テクノロジーの進歩によって、一見すると便利になりましたが、どの程度便利に使えるか、あるいは使わないことでうまくいくかは、人によって相当な差があります。主体的に学び、考える重要性はかつてなく増していると言えるでしょう。

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この記事を書いた人

・現役世代を元気にしたいとの思いで新ブログを立ち上げ!
・本は2000冊以上読破、エッセンスを還元いたします
・金融機関で営業・調査部隊双方を経験。
・バックグラウンドは歴史とMBA

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