デジタルな時代だからこそあえてアナログに書き出すことの効果:「人生を変える 記録の力」メンタリストDaiGo、実務教育出版

  • URLをコピーしました!

デジタルでスピーディーな時代だからこそ、アナログに書き留めて落ち着いて考える価値も高まっているのかもしれない。メンタリストDaiGo「人生を変える 記録の力」は、そんなことを改めて気づかせてくれる1冊だ。本書では、具体的なシーンを考慮し、11の課題を解決する33の記録術が紹介されています。その中から3つを今日は紹介していきましょう。すなわち、「行動ダイアリー」、「コミュニケーション戦略プランニング」、「ライフキャリア・ホイール」の3つです。

目次

「行動ダイアリー」で「達成感」と「喜び」を確認する3ステップ

「行動ダイアリー」は、認知行動療法の父と呼ばれるアーロン・ベックによって考案された手法です。モチベーションの低い人や、自分がなにをしたらいいのかわからない人にぴったりの記録術と言えるでしょう。行動ダイアリーは、3つのステップで進めます。ステップ1:その日の行動を1時間単位で記録→ステップ2:その行動に対して感じた「達成感」と「喜び」のレベルをそれぞれ10点満点で採点→ステップ3:ある程度の記録がたまったタイミングでダイアリーをながめて、自分がどのような行動に「達成感」や「喜び」を感じているのかを知る。この3ステップにより、日々の充実感の再確認と再検証ができるため、生活リズムや人生の軌道修正が可能となります。

「コミュニケーション戦略プランニング」:メッセージを伝える準備の4ステップ

ウエスタン大学のマイケル・J・ラウズ教授らは、コミュニケーションの問題を解決すべく、「コミュニケーション戦略プランニング」を開発。商談やスピーチなど、ビジネスコミュニケーションを改善するために当初開発されたテクニックですが、公私問わずあらゆるコミュニケーションに効果を発揮します。コミュニケーション戦略プランニング」では、4つのコラムで構成された記録用紙を使い、これから行われるコミュニケーションについて、4つの視点から考えていくことで、メッセージを効果的に伝える準備ができます。

1つ目の「コミュニケーター戦略」の欄では、「メッセージの送り手」としての自分に焦点を当てます。記入するのは、「自分が伝えたいメッセージ」や「コミュニケーションの相手にとって自分はどのような存在か」「このコミュニケーションにより、自分はどのような結果を得たいのか」などです。いわば、メッセージを届ける前の文脈の再確認・再設定のフェーズです。

2つ目の「オーディエンス戦略」の欄では、「メッセージの受け手」である相手やオーディエンスに焦点を当てます。そこに、「自分が知っていることは何か」「相手のモチベーションがもっとも上がりそうな情報や行動はどのようなものか」などを記入します。ここは、「受け取り手」のことを考えるフェーズと言えるでしょう。

3つ目の「メッセージ戦略」の欄では、「自分が伝えたい内容そのもの」に焦点を当て、「どのようなスタイルと話し方を使うのが良いか」など、具体的なメッセージの伝え方について考ます。言い換えると「What」「How」を吟味するフェーズです。

4つ目の「チャネル戦略」では、効果的なコミュニケーションのチャネルを検討します。どんな手段やメディアを使うべきか、そのチャネルを使う場合のコストや時間を洗い出します。

以上4ステップにより、日常会話にはやや大げさかもしれませんが、プレゼンテーション、企業のソーシャルメディア戦略、ブログ執筆など多岐にわたる場面でメッセージの伝え方を準備するために役立つことでしょう。

「ライフキャリア・ホイール」で人生のバランスを見直す

年齢を重ねるとともに、ライフステージはどんどん変化していきます。その過程では、ましてや激動の時代、将来に悩むことも出てくるでしょう。そんなときには、「ライフキャリア・ホイール」で人生の注力領域の棚卸しが一案です。ドナルド・スーパー博士のライフキャリア・レインボーという概念をベースにした、定番の技法として知られています。

「ライフキャリア・ホイール」の目的は、人生のライフステージごとに最適なワークライフバランスを探すことです。多くの人が人生で果たす役割を「子ども」「学生」「余暇人」「市民」「職業人」「親」「配偶者」「ホームメーカー(家事、買い物、掃除など、プライベートを維持するために時間を割く自分)」の8つに分けます。「ライフキャリア・ホイール」では、自分がこれら8つの役割をどのように果たしているか、そして、今後果たしていきたいかを、3つの円が並ぶ記録用紙を使って確認すしていきます。頭の中を整理して、時間・注力の配分を考え直すにはうってつけの考え方と言えるでしょう。

以上で、3つの記録術応用のフレームワークを紹介してきました。本書は11のチャプターに分かれていて、33の記録術で目的別に対応していく構成となっております。それぞれのチャプターは、「 やりたいことを見つける」「モチベーションを上げる」「失敗したら、を乗り越える」「不安と恐怖をエネルギーに変える」「優柔不断をなくす」「ネガティブ思考を乗りこなす」「ストレスに強い心を育てる」「無駄に悩まなくなる」「人間関係がラクになる」「問題解決力をつける」「試練を乗り越える力をつける」……現代人は誰しも、無縁ではいられない内容です。33の記録術を同時に実践するのは難しいと思うので、自分が解決したい悩みにフォーカスするか、優先順位を決めて取り入れていくことで、人生が良い方向に軌道修正されていくことでしょう。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

あなたの家族や友達にも教えてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

・現役世代を元気にしたいとの思いで新ブログを立ち上げ!
・本は2000冊以上読破、エッセンスを還元いたします
・金融機関で営業・調査部隊双方を経験。
・バックグラウンドは歴史とMBA

目次